窓の杜で「
実録! 俺のバックアップ術」という連載をしていましたが、これに便乗して私のバックアップ術を書いてみます。
自分はとにかく面倒くさがりなので、手間がかかることは長続きしません。そこで手間がかからないということが最重要事項です。
ただし、楽してバックアップしても、いざというときにリストア(復元)に手間がかかったり、時間がかかったりしては困ります。そのためリストアのことを考慮してバックアップするようにしています。
そこで実践しているのが、バックアップ方法を「分散」するということです。
楽する用:日々のバックアップはUSB接続の外付けHDDに
日々のバックアップは短時間に終わって欲しいので、常時接続しているUSB接続の外付けHDDにバックアップしています。HDDはアクセス速度が速いため、短時間でバックアップが終了します。
バックアップソフトはBunBackupを使用します。バックアップを短時間で終わらせるためには、不要なファイルを除いてバックアップ対象を絞る必要があります。そこで大事なファイルは「ドキュメント」に置き、このフォルダをバックアップ対象としています。ドキュメント内にも不要なファイルがあるので、対象・除外ファイル、除外フォルダなどの機能を利用して対象を更に絞ります。
このバックアップは数十秒程度で終わります。通常はパソコンの電源を落とす前にこのバックアップを実行します。大事なファイルを作成・更新したときはすぐにバックアップします。
念のため用:週一回はポータブルHDDに
日々のバックアップは常時接続の外付けHDDにバックアップしていますが、これですとランサムウェアなどのマルウェア、地震・雷などの災害、盗難などに対処できません。たとえばランサムウェアに感染すると、パソコンに接続されているHDDはすべて暗号化されてしまう可能性があり、肝心のバックアップが意味がなくなってしまいます。
このようなことに対応するために、ポータブルHDDにバックアップして、普段パソコンから外しています。そしてパソコンとは違う場所に保管しています。ただそうしますとHDDを接続するのが面倒になるので、週に一回程度のバックアップにしています。
さらに念のため用:思いついたときにDVDに
上記のバックアップでも十分だと思いますが、自分は更にプログラムソースや、自分で撮影した写真・動画はDVDに焼いて保管しています。DVDは同じものを複数枚作成して場所も分散しています。たとえば自宅と実家という感じです。
イメージバックアップを兼用
日々のバックアップは時間がかからないBunBackupを使用していますが、ファイルバックアップだけですと、リストア時にOSやアプリケーションを再インストールするのに時間がかかります。
そこで私はAcronis True Imageというイメージバックアップソフトを兼用しています。イメージバックアップすることで、ドライブまるごとバックアップできますから、OSやアプリケーション、それらの設定もバックアップできます。
イメージバックアップは最低限月一回行います。これは第一週目の土曜の朝というように日時を決めることで忘れるのを防止しています。バックアップには2時間くらいかかりますが、パソコンを使用していないときに実行しているので、時間はそれほど気になりません。
イメージバックアップは、毎回すべてのファイルをバックアップする完全バックアップ、前回より増えた分のファイルのみをバックアップする増分バックアップ、初回からの差分をバックアップする差分バックアップという方法があります。一般的には時間や容量などを考慮して、増分、差分バックアップをする方が多いと思います。
ただ私は毎回完全バックアップをします。
一つの理由としては、日々のバックアップはBunBackupを使用しているので、イメージバックアップは月に一回程度しか行いません。そのため時間のかかる完全バックアップでも面倒にならずにすむということがあります。
また、増分・差分バックアップはリストアに時間と手間がかかるということと、増分・差分バックアップしたファイルが壊れていた場合、一部のファイルがリストアできなくなる可能性があるので、完全バックアップにしています。
完全バックアップは3世代ほど残しています。
クラウドストレージも利用
クラウドストレージも使用していて、Dropbox、OneDrive、Googleドライブを用途別に分けて使用しています。これらはバックアップというよりは、他のパソコンやスマホと共有することがメインですが、結果としてバックアップにもなっています。
クラウドストレージに上げるものは、容量が小さいものに限定しています。そうしないと同期に時間がかかってしまうためです。
クラウドストレージは瞬時に場所を分散できるためバックアップ先として有効なのですが、ダウンロードに時間がかかります。その点を考慮しておかないと、いざというときのリストア時に慌てることになります。
自動バックアップは行わない
バックアップソフトには自動でバックアップする機能が搭載されていますが、自分はこの機能を使用しません。これは自動バックアップだと何らかのトラブルが発生したときに、気づくのが遅れてしまうためです。
バックアップ後必ずバックアップ結果をチェックして、ちゃんとファイルがコピーされているか、コピーに失敗したファイルはないかなどをチェックしています。
NASは使用していない
以前はバックアップ先にNASを使用していました。ただ最近は外付けHDDを使用しています。これは外付けHDDの方が割安で、管理も楽だからです。複数のパソコンからバックアップするのであればNASは便利ですし、RAIDなど高度なバックアップをするのであればNASは必要です。また企業で使用するなど、セキュリティを考慮する場合もNASは有効です。
ただ自分の場合は、NASにするよりも複数の外付けHDDにバックアップする方が安価で、バックアップ先も分散できるため、自分の用途には合っているような気がします。
バックアップで重要なことは
面倒くさがりと言っていながら、けっこう手間かけてバックアップしてるんじゃないのと思った方がいらっしゃったかもしれませんが、バックアップのメインは「楽する用」なので、一日に数十秒しかかからないお手軽バックアップです。その他のバックアップはどれも念のためようなので、それほど厳密には考えていません。
とにかく重要なのは、どのファイルが大事なファイルなのかを認識すること、そしてその大事なファイルを複数のバックアップ先にバックアップすることです。
そしてもう一つ重要なのが、リストアを考慮してバックアップすることです。リストアするときは何らかのトラブルが発生して慌てているときなので、手間がかからず短時間でリストアできるということは重要です。
そのため、複数のバックアップ方法を組み合わせて、いろいろな状況に効率よく対応できるようにしています。